クラッチフルード交換【DIY整備】ハイエース200系のクラッチフルードの交換方法と注意点

200系ハイエース クラッチフルード交換 ハイエース

おはこんばんちは。あた岡狂太郎です。

200系ハイエースのクラッチフルードについて

あまりマニュアルのハイエースに乗っている人はいないと思いますが、だからこそ価値がある記事になると思い記します。中古で買ってから交換したいけど情報もなくよくわからなくて後回しにしていたクラッチフルード交換です。
自分で車を観察して確かめた結果、車体下に潜って上をみて、ミッションの左(助手席側)の前方にクラッチシリンダーが見えました。写真中央に見えるのがクラッチシリンダーです。家族にクラッチペダルを踏んでもらうと、ここが動くのが確認できました。
フルードのリザーブタンクは、ブレーキと共用です。これは普通ですね。なので、ブレーキフルード好感と同時タイミングで作業するのが良いです。

200系ハイエース クラッチフルードブリーダーボルト位置

交換作業

ブリーダーボルトの先端に黒いゴムキャップが付いているので、ゴムキャップを外し、ブリーダーボルトにメガネレンチをかけておきます。
ブリーダーボルトの先端にブレーキフルード交換に使うホースを付けておきます。

クラッチフルードブリーダーにホースを接続

ブリーダーボルトを緩めずに、家族にクラッチペダルを踏んでもらい、踏んだ状態でブリーダーボルトを緩めまたところ、いつから交換していないかわからない黄色いフルードが出てきました。

このあと、クラッチペダルから足を離してもペダルが戻ってきませんでした。別の車でクラッチフルード交換をした時は戻ってきてくれたので、予想外の出来事に焦ります。

クラッチフルード交換時にクラッチペダルを踏んだところ

このあと、写真が撮れていないのですが、手でペダルを引き上げ、手で押し込むというのを繰り返しました。
クラッチペダルを操作する感覚は、押し込む最初はバネで押し戻される抵抗がありますが、数cm押し込んだところで逆に押し込む側にバネで引き込まれます。スナップアクションと言ったらいいでしょうか?

で、他の車ではブリーダーボルトを緩めた状態でペダルをふみふみしたらフルードが交換できたので、同じようにブリーダーボルトを緩めた状態で、ペダルを手で操作して押し込む・戻すを繰り返しました。
これで何が起きるかというと、フルードは出てきますが、リザーブタンクの液面は下がりません。つまり、リザーブタンクからブリーダーボルトの間のライン内のフルードが出て、代わりにブリーダーボルト付近から空気を吸っている状況です。これではエア噛みまくりで、クラッチを切ることができません。

困ったので、注射器で吸います。※写真がなくすみません。
ブリーダーボルトに繋いだホースの先端に注射器をつなげて、ギューッと吸いました。すると空気がゴボゴボっと注射器に入ってきて、フルードが少し抜けました。この時リザーブタンクの液面が急激に下がりました。
ここから先は注射器を引くだけではうまくエア抜きができないため、
①ブリーダーボルトを締める
②注射器を引く(真空状態をキープ)
③クラッチペダルを踏んでその状態をキープしてもらう
④ブリーダーボルトを緩める
⑤エア・フルードが抜けたらすぐにブリーダーボルトを締める
以降②~⑤の繰り返して、エアが混じらなくなったら完了です。

もちろん次からこの作業をする時は、最初から注射器を使って2人作業で行います。

ブレーキフルードはいつもこれを使っています。名前の知られたメーカーのDOT4で一番安いと思います。2年に1回交換しますので、常備しています。
なお、取説ではトヨタ純正ブレーキフルード2500Hが指定銘柄となっています。DOTの数字が大きいほど沸点が高く性能が良いのですが、デメリットとして吸湿性が高いため、劣化スピードが早くなります。交換が2年サイクルなら全く問題ありません。

ついで作業~グリスアップ~

クラッチを踏むとギューッという音がして気になっていたのですが、音の源がどこかわかりませんでした。今回車体下に潜ってペダルを踏んでもらうと、ミッション横のクラッチシリンダーが動いていて、このあたりにも摺動部があって動きが渋くなっている気がしました。
そこで試しに、ゴムカバーの開口部から、商品リンクのスプレーグリースを吹いてみました。

クラッチグリスアップ

作業後の感想

まず、グリスアップをしたおかげで音もなければギシギシ感もなく、質感が向上しました。
また、これまではクラッチペダル踏み始めの遊びがなくなったところで酷い振動を感じていましたが、それが軽減されました。
フルード交換により綺麗なフルードになってエアもなくなったおかげか、踏み心地がシャキッとしました。
交換時走行距離:124,795km

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よくある質問(Q&A)

Q1.ハイエースのクラッチフルード交換は素人でもできますか

A: できますが、2人作業が必須で、注射器を使った適切なエア抜き作業が必要です。ブリーダーボルトを緩めただけではエアを噛んでしまうため、真空引きとペダル操作を組み合わせた正しい手順を理解していることが前提となります。自信がない場合は整備工場に依頼することをおすすめします。

Q2.クラッチフルードの交換時期はどれくらいですか?

A: ブレーキフルードと同じく2年に1回の交換を推奨します。フルードは吸湿性があり、時間とともに劣化して黄色く変色します。劣化するとクラッチの切れが悪くなる原因となります。

Q3.ブレーキフルードとクラッチフルードは同時に交換できますか?

A: はい、むしろ同時交換が効率的です。ハイエースではリザーブタンクがブレーキと共用のため、両方のフルードを同じタイミングで交換することで作業効率が上がります。

Q4.クラッチフルード交換に必要な工具は何ですか?

A: メガネレンチ(ブリーダーボルト用)、透明ホース、注射器(50ml程度)、受け皿、そして新品のブレーキフルード(DOT4推奨)が必要です。また、車体下に潜る必要があるため、ジャッキとリジッドラックも必須です。

Q5.交換作業でペダルが戻らなくなったらどうすればいいですか?

A: 記事の経験談のように、手でペダルを引き上げて操作を繰り返し、注射器で真空引きしながらエア抜きを行います。焦らず、ブリーダーボルトの開閉とペダル操作のタイミングを合わせることが重要です。

Q6.クラッチシリンダーの場所がわからないのですが?

A: 200系ハイエースの場合、車体下に潜ってミッションの左側(助手席側)の前方を見ると確認できます。共同作業者にクラッチペダルを踏んでもらうと、シリンダーが動くので位置を特定できます。

Q7.クラッチから異音がする場合、フルード交換で解決しますか?

A: 部分的には解決する可能性があります。記事の例では、フルード交換と併せてクラッチシリンダー周辺にグリスアップを行うことで、ギューッという音やギシギシ感が改善されています。両方の作業を試してみる価値があります。異音の種類によっては原因が全く異なるため、フルード交換では解決しません。

Q8.リザーブタンクの液面が下がらない場合はどうすればいいですか?

A: これはエアを噛んでいる状態です。ブリーダーボルト付近から空気を吸い込んでいるため、注射器でホースの先端から強制的に吸引し、真空状態を作ってからペダル操作とブリーダーボルトの開閉を繰り返す必要があります。

Q9.どのブレーキフルードを使えばいいですか?

A: 2年に1回交換するならDOT4規格のブレーキフルードを推奨します。記事では信頼できるメーカーの中で価格の手頃なものを推奨しています。取説ではDOT3規格のトヨタ純正ブレーキフルード2500Hが指定銘柄となっていますが、重い車体を止めるブレーキと共用のためより沸点が高く性能面で優れるDOT4をお勧めします。

Q10.クラッチフルード交換後、どんな効果が期待できますか?

A: クラッチの踏み心地がシャキッとし、ペダル操作時の振動が軽減されます。また、適切にエア抜きができていれば、クラッチの切れが良くなり、ギア操作がスムーズになります。グリスアップも併せて行えば、異音も解消されます。

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