おはこんばんちは。あた岡狂太郎です。
鉈を作るきっかけ
以前に包丁磨きという記事をアップしましたが、実は関の刃物祭りに毎年行くほど刃物好きです。
刃物祭りの中の、アピセ関という施設でやっているナイフショーに行くと、ナイフ作家さん達がずらーっと作品を展示して販売しているのですが、別室で鋼材メーカーがカスタムナイフ用に鋼材を販売しています。そうそうお目にかかることはないので、初めて見た時はとてもテンションが上がり、適当に2枚買っていました。そこから10年近く寝かせましたので、重い腰を上げて1つ作ってみることにしました。
あまり時間をかけることができず、チャチャーっと作ってますのでクオリティは低いですし、写真も撮り忘れがありますがご了承ください。
使用鋼材
包丁ではなじみが深い武生特殊鋼材のDPSゴールド5、別名VG5、a.k.a V金5号の割り込みです。DPSとは、武生特殊鋼材の技術で割り込みの鋼材製造において芯材の炭素が外層へ移らないものです。DPSと書いてあったら割り込みと思ってもらったら大丈夫かと。割込と三枚合わせと区別する方もいらっしゃいますが、色々な方とお話する中ではこれら総称して割込と呼んでいましたので私もそうしています。なおVG10ばかり有名ですが、私のVG5製菜切り包丁はVG10の三徳より鋭く切れてくれますので、一概にVG10がVG5より優れているとも思っていません。
作製
製図
フリーハンドでできないたちなので、CADで形状を定めます。以下2点を意識して製図しました。※写真なしです
・鋼材の外形以内でめいいっぱいとる
・ハンドル材の外寸を考慮する
・大振りしても手からすっぽ抜けない ハンドル形状
鋼材の切り出し
製図した図面を原寸で印刷し、その紙を鋼材に糊付けします。
線に沿って切り出していきます。焼きが入っていないのですがめちゃくちゃ硬いので、並みのコンターなどでは切れません。カーブもあるし熱が入るといけないため、ディスクグラインダーの使用も避けました。
使ったのは糸鋸です。ヘラクレスの糸鋸が良く切れるので使っています。流石に鋼材が硬すぎてミスってないのに何本も刃を折りました。

ハンドル材の切り出し
ハンドル材は手元にあったオークか山桜かにしました。なぜか目方向が逆ですが今回クオリティはあきらめていますので良しとします。
CNCが使えたので、手抜きで機械に切り出してもらいました。表面引いて平面出しつつ厚みも均一にできるので非常に楽です。


ピンの作製
ブレードとハンドルを固定するためのピンを作ります。真鍮の棒を旋盤で削ってφ8にしました。
これくらい短く削りやすい真鍮でも、先端は振れるので少し細く仕上がりました。問題ないレベルです。
ピンはブレードとハンドルの厚みの合計+1~2mmの長さにしておきます。

ピン穴開け
ブレード、左右のハンドルの計3パーツに、同じ位置にピンを入れる穴を開ける必要があります。
まずはブレードから穴を開けました。ブレードに開けた穴をガイドにしてハンドルに穴を開けるため、適当な場所でもよいのですが、後で見た時にピン位置のバランスが悪いのも嫌なので、穴開け用テンプレートを用意し、ブレードに貼り付けて穴位置を定めて穴開けをしました。
一気にφ8は無理なので、φ4くらいを開けておいて、φ8に拡張しました。


次はハンドル側。最終的にはピンと接着剤で固定しますが、穴あけ中にずれると困るので、両面テープでブレードとハンドル材を仮固定します。
ブレードに開いている穴をガイドにし、ブレード側からボール盤でφ8の穴を開けます。この時、ハンドル材の下には宛木を置きます。宛木がないと、穴の下側がむしれて仕上がりが汚くなります。


穴あけが完了したら、ハンドル材の左右がわかるように内側というテープを貼っておきました。

仮刃付け
焼き入れをすると硬くなって研ぐのが大変になるので、焼き入れ前に粗方刃をつけておきます。
完全に刃をつけてしまうと焼き入れを受け付けてもらえませんので、刃先に0.5~1mmほど平坦面ができるよう止めておきます。
熱に注意しながらベルトグラインダーでやりました。※画像省略
焼き入れ
鉄の鋼なら焼き入れもDIYしてみようかと思いましたが、今回は焼き入れ温度の高いステンレス鋼材なので、熱処理に出しました。
お値段で選んで、マトリックスアイダさんに依頼しました。
刃付け
焼き入れから返ってきました。焼き入れ前はどこが層かわかりにくかったですが、焼き入れ後は端面を見るとしっかり3層になっています。
こう見ると、それぞれの層の厚みが均一ではないのがわかります。

買ったままの鋼材表面はざらざらしていたのと、層の厚みも不均一なので、ベルトグラインダーで表面を削ってみました。見事に失敗して変なえぐれ方をしました。この傷が消えるくらい全体を削ると時間もかかるし全体の重量も減ってしまうので、今回は傷隠しをある程度にしました。

刃付けは、一旦ベルトグラインダーでやりますが、大体刃先が出た段階でベルトグラインダーをやめ、より繊細に調整できる電着ダイヤモンド砥石に変更します。

ハンドル取付
ハンドル材の接着面に接着剤を塗って貼り合わせます。

こういう異種金属の接着では、硬化後に硬度が高い接着剤を使うと長期使用で剥がれます。木は水分によって膨張しますし、金属は熱で膨張します。この接着剤は2液性ですが硬化後に柔軟性があるので、金属とプラスチックの固定では信用して使っています。
3枚合わせたら、接着剤が硬化する前にピンを挿入し、ハンドル材の部分をクランプで挟んで、ブレードとハンドルを圧着させます。

接着剤の硬化後、ピンをハンマーでたたいてカシメます。
仕上げ
ハンドルにはクランプで挟んだ跡があるのと、ピンも1~2mm出っ張っているので、ベルトグラインダーで表面をさらいます。
ついでにハンドルの角を落としました。丸くするか迷いましたが、時間短縮と柳刃包丁の八角柄が持ちやすかったので、8角形になるよう端面はC面にしました。
完成
仕上がりが荒いですが完成です。
意外に持ちやすいです。竹藪の整備に使います。

ご自愛ください。

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