おはこんばんちは。あた岡狂太郎です。
うちの200系1型のハイエースは、エンジン型式2KDの2500ccのディーゼルエンジン。
最近調子が悪く、冷寒時に始動させると一瞬エンジンがかかってストールする症状が度々起こるようになりました。そういった時はストールする前にアクセルをあおってレーシングすると、その後はアイドリングするようになり、走行も普通にできるようになります。これは2KDの持病のサクションコントロールバルブ(SCV)が怪しいと思いました。
購入した車屋さんはハイエースばかりを扱っている専門家と呼んで良い存在で、その方から2KDはSCVの故障は定番で、対策品が出ているからそのうち交換した方が良いと言われていました。
実は半年ほど前、中古でハイエースを購入してきてすぐの頃、走行中にエンジンが吹けなくなりエンストする症状が起きて、その時にSCVと燃焼フィルターを交換しようとしたところ、トヨタのディーラーでSCVは種類があるため、燃料のサプライポンプの品番確認が必要と言われ、その時は確認できなかったため燃料フィルターだけ交換し、症状が収まりました。
では順を追って説明します。
SCVの交換は塵埃NGとのことで、交換前に周辺の清掃が必要です。タブー視する人もいますが、私は水洗いしました。水洗い後に走行してエンジンルームを温め、早期に乾燥させています。
分かりにくいですが、赤い矢印がサクションコントロールバルブ(SCV)です。
SCVはサプライポンプに取り付けられていて、サプライポンプの型番は上から覗いても見えません。青矢印の位置にスマホを突っ込んで、自撮り側で写真を撮りました。
近すぎでピンぼけしていますが、ハイフンの後ろが30040であることがわかります。
これをディーラーに伝えて、SCVを選定してもらいました。
サプライポンプには、SV1とSV2の2種類があるそうで、部品を取りに行った際に整備士経験豊富なサービスマンの方からこんな見分け方の資料をいただきました。
うちのはSV2で短いSCVがついていましたので間違いないです。部品を取り寄せたら作業開始です。
交換作業マニュアルもディーラーからいただいたので共有します。トヨタディーラーの方、感謝です。
ただし、ディーラーが指示する交換手順はEGRクーラーを外すようになっており、クーラントが抜けるため手間が増えます。EGRクーラーを外さない方法で作業を進めます。
まずはパワステフルードのリザーブタンクを避けられるように、ステーを止めているボルトを外します。次に、前後2箇所のホースバンドを緩めてインテークホースを外します。
そうするとSCVがよく見える(アクセスしやすく)ようになります。赤矢印のがSCV。
SCVの上にある燃料ホースを外します。プライヤーでホースクリップをつまんでずらし、ホースを引っこ抜きます。軽油が垂れるのでウエスで吸います。
外したホースの下にSCVに繋がる配線カプラーがあるので、クリップ部を指で摘んで引き抜きます。
ここでようやくSCVを外します。対角5mmの六角穴付キャップボルト2つで止まっていますので、六角レンチで外すのですが、奥側のネジがアクセスするのに深さがあり、普通のL型レンチでは対応できません。
私は、ボールポイント側で本締めができるL型レンチと延長パイプで緩めました。この六角レンチは硬くてお勧めですが、硬くしなりにくいためオーバートルクに注意することと、ボールポイントで無理に締めるとネジ側が壊れる恐れがあるため、初心者向きではないです。
なお、取付時にトルクレンチは使えませんので、緩める際にどれくらいのトルクで締まっていたか感触を確かめておきます。
2本のネジを外した後、SCVを外す前にお待ちください。
新しいSCVの部品キットには、取り付けネジ部に入るガイドピンがあります。これはネジの位置を合わせるためではなく、SCVを挿入する際に斜めに入れると内部を損傷する可能性があるため、真っ直ぐ挿入するためのものです。
ですが、古いSCVを外すときに固くてこじってしまい、同じように内部を損傷する恐れがあります。なので、作業要領には書かれていませんでしたが、古いSCVを取り外す前にガイドピンを装着しました。
ここからはネジ等を下に落とす可能性があるため、ウエスで受けられるよう対策します。私は紙のウエスを敷きましたが、ネジの重さには耐えられずネジを下に落としました。布を敷きましょう。
ガイドピンを入れたらSCVを取り外します。取り外した後、黒いガスケットがサプライポンプ側に残ることがあるので、忘れずそれも外します。※写真では見やすいように手前のガイドピンを外しています。
新旧のSCVを比較すると長さが全然違いますね。
ここから取り付けに入ります。
新しいSCVに既に取り付いているOリング以外に、付属のOリングが2つあります。
直径の大きい方をアタッチメント(アルミのスペーサー)の溝の大きい方に、小さい方をサプライポンプのハウジングへ取り付けます。
Oリングの情報は以下の通りです。変形しやすいので内外径は測れませんが、作業要領に記載されていたサイズを内径と判断しました。線形はノギスで測定しています。
大:内径22.8、線形2.0、アタッチメントの取り付け溝外径28
小:内径19.8、線形2.4、サプライポンプハウジング径測定できず…
Oリングにはディーゼルオイルを塗ると書いてありますが、取付時の潤滑のためと、落下防止の粘着のためシリコングリスを塗っています。シリコングリスのお陰で、サプライポンプ側にOリングが貼り付いてくれます。
アタッチメント(スペーサー)とSCVは、取り付け中に隙間が開くとOリングが溝から外れてイライラするので、養生テープで止めました。
アタッチメントとSCVを同時にガイドピンに沿ってサプライポンプへ挿入します。
養生テープを剥がして、ガイドピンを1本抜き、取り付けボルトを手で回して仮締めします。1本仮締め後、他方のガイドピンを抜いてボルトを仮締めします。仮締め後、緩めた時と同様に、ボールポイント側で本締めができるL型レンチと延長パイプで締めます。トルクは6.9~10.8N・m指定ですが、トルクレンチは使えないため、手ルクレンチで外した時のトルクを再現します。
後は、配線や配管などを元に戻して完了です。
最後に、この交換作業をディーラーで行うと、ECUのアップデートもされます。ハイエースを購入した車屋さんの感覚では、アップデートすると遅くなったからそれ以来していないとのことでしたし、ネット情報でも同様のことを言っている人がいましたので、私もアップデートしませんでした。部品購入時に対応してくれたディーラーのサービスマンの方はデキる方でしたが、アップデートについて何も言われなかったので、そういうことでしょう。。。
交換後はエンジン始動後にストールする症状が無くなり、気持ちエンジンの振動が減ったような気がします。
今回購入したSCV部品一式の品番は04226-30010、部品代は2023年4月時点で34,760円(税込)でした。
交換時走行距離96,460km
ご自愛ください。
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